【パワークリーン】徹底解説 | ファーストプルの極意 3選 | よくある失敗 1選

アスリートにとって、爆発的な瞬発力とパワーを引き出すための基礎トレーニングとして注目されるのがパワークリーン。

特にファーストプルは、力の出力をスムーズにつなげるための重要なパートです。

アスリートとして、力の立ち上がりが速くスムーズな力の伝達を会得するためには、パワークリーンの正しいフォームの習得が欠かせません。

この記事では、アスリートに向けて、ファーストプルの極意と、ありがちな失敗例1つを徹底解説。

地面をしっかり押し出す感覚を磨き、競技パフォーマンスを一段階引き上げましょう!

姿勢の作り方

パワークリーンでシャフトを地面から引き上げる時の姿勢はかなり重要です。

シャフトが動き出し、その後に起こる問題の大半は引き始めの姿勢が悪いことです。

姿勢が悪いと運動の同調が成されません。

パワークリーンセットポジションの膝、股関節、背中の角度はデッドリフトと同じです。

正しい姿勢が作ることができれば、シャフトは効率的に引き上げることが可能です。

以下写真を参考に解説していきます。

  • 頭から骨盤まで背中をまっすぐ保つ
  • 膝を曲げすぎず、上体を傾ける

まずはこの2つを意識してポジションを作りましょう。とは言ってもこの形ができない方も中にはいるでしょう。

特に背中をまっすぐに保てない方はハムストリングが固い方が多く、この問題に直面します。

ですので、優先順位をパワーから柔軟性に変更した方が長期的に怪我の予防になります。

可動域が問題でできない形やフォームがあるので、まずは形を作れる身体にすることが競技力を上げる一助になると思います。

一方、上体を起こし、腰を極端に落としてから引き始めている方もいますが、この姿勢によって起こる問題があります。

極端に腰を落とすと、その影響で膝が前方に押し出されます。

それにより引き始めから膝を避けることに意識が向いてしまい垂直に引くことができません。

それでも気合いで垂直に引こうものならスネの肉を削り、もみじおろしの出来上がりです。

軌道が引き始めでズレるとジャンピングポジションに入れずに真上に思い切って跳び上がることができません。

シャフトを煽って前に降り出してしまい自身も少し前に入り込むようにジャンプし、キャッチをしなくてはならなくなります。

パワークリーンの最大の目的は挙げることではなく、いかに効率的にシャフトを高いところに移動させるか。

それによりパワー向上が期待されます。

セットポジションで重要なのは、シャフトを地面から垂直に引き上げることです。

これによりシャフトが効率的に挙がるためジャンプの動作に入ってからの軌道のブレが少なくなることを理解しましょう。

速く引かない

シャフトは地面から離れるにつれて加速し速度が付いてきます。

ファーストプルの最大の役割は、スムーズにジャンピングポジションに入るということです。

これが最重要任務です。

ジャンピングポジションの記事はこちら。

そこで気をつけなくてはならないことが、たった1つだけあります。

それは、シャフトを「速く」引かないことです。

なんて言うと、パワー発揮が目的なのに?

と疑問が湧きますが、ファーストプルの局面では「速く」よりも優先しなくてはならないことがあります。

それは「正しく」引くことです。

ゆっくり正しく引き「速く」引くのはセカンドプルの仕事になります。

ファーストプルはとにかく正確に仕事を行い、次に繋げることを意識してください。

シャフトを一気に引き上げようとすると、自分の姿勢を保てなくなり最も加速させなくてはならないジャンプ動作を行うことが困難になります。

急いで引き上げたい!

そんな気持ちも理解できますが、動作が速くなるにつれてミスを修正している時間はありません。

何度も繰り返しますが、ファーストプルの最重要任務はジャンピングポジションに入ることです。

丁寧にシャフトの位置をコントロールし、自分が跳び上がりやすいポジションに入ることだけを考えましょう。

シャフトの軌道

姿勢の話でも少し触れましたが、ファーストプルにおいてシャフトの軌道は床から垂直が理想とされています。

重力下における、最も効率が良い軌道は垂直であるため、とにかくまっすぐに上に引き上げるように心がけましょう。

引き始めて、ジャンピングポジションまでは垂直に上がることが理想とされています。これに関してはデッドリフトと同じです。

シャフトの位置は、自身の足の中央に置きましょう。

前方にありすぎると、引き始めで姿勢が崩されてシャフトが身体から離れていき、修正がかけられなくなります(上段写真)。

挙上が始まると、上半身が丸まったり、シャフトが身体から離れていく場合は背中の収縮を意識的に取り組まなくてはなりません。

多くのパワークリーンの失敗は動き始めに現れます。

また、スネの角度は真下に踏み込むため、床と垂直に踏み込んでいきます。これによりシャフトは真上に上がっていきます(下段写真)。

この姿勢を保つにはハムストリングの柔軟性と強さが必要になるので、姿勢が作れない方は、まずは柔軟性を上げるよう注力しましょう。

ジャンピングポジションに入ると、股関節屈曲から上体が起き上がってくるまでの間にスネの角度が垂直から、前方に倒れます。

上段写真姿勢がトリプルエクステンション(股関節、膝関節、足関節)のきっかけになります。

そのためシャフト軌道は垂直から少し外れ始めます。

その後股関節が、進みジャンプ直前に上半身は真上に跳び上がる姿勢に入ります(下段写真)。

ジャンプと同時にシャフトが加速しセカンドプルに入っていきます。

ファーストプルの流れは、ジャンピングポジションまでシャフトを垂直に動かすことです。

デッドリフトがしっかり行えていれば特に問題にはなりません。

気を付けなくてはならないのは、形だけを追わないようにすることです。

シャフトの軌道は結果でしかないため、本質的にはなぜこれが、効率的でパフォーマンスに繋がるのかを理解しなくてはなりません。

その上で、フォーム作りに取り組めるとトレーニングの意義が上がると思います。

スタート姿勢で、腰を落としすぎてしまう

スタートの姿勢でも触れましたが、もう少し詳しく解説します。

改めてこちらの姿勢です。

上体を起こしすぎるとスクワットのような姿勢になり、つま先上まで膝が出てきます。ここから垂直に引くにはかなりの度胸が試されます。

なぜなら、引き始めてまもなく自身のスネとシャフトが交差します。

赤いラインと青いラインが交差するところでスネの皮膚はシャフトに削られるでしょう。これはデッドリフトでも同じことが言えます。

スネを擦りむく原因は最初の上体が起きすぎており、床を垂直に踏み込むことができないからです。

そして誰もが自分のスネを傷つけたくないと考えます。

それによりシャフトを初動でスネから遠ざけてオレンジ色のラインの軌道を通りスネと膝を回避しようと操作します。

軽い重さではまかり通りますが、重量が上がるにつれて遠ざけて挙げることが困難になるのでスネを削ることになります。

そしてスネを削るよりも大きな問題があります。

それはシャフトを垂直に引けないため物理的に効率が非常に悪く腰部に負担が生じます。これによりファーストプルやデッドリフトで腰痛を発生させてしまう方が後を絶たないのです。

股関節とシャフトの関係

スタート位置を具体的に見てみましょう。

各筋肉のスタート動作はどのように機能していくのか図に表します。

初動で大きな仕事をしなくてはならないのは股関節です。

股関節が回り出してハムストリングが働きだすと、テコの原理で上半身が起きあがろうと動き出します。

この時に、股関節の働きによりハムストリングと広背筋が同調し力を発揮しています。

これによりシャフトが垂直に動き出しジャンピングポジションに入ることが可能になります。

悪いスタートポジションも見てみましょう。

こちらのフォームは深くしゃがんでいることと、上体が起きているため股関節が非常に使いにくいポジションにあります。

この状態からシャフトを持ち上げると必ずと言っていいほど、膝で力発揮を行い、回転が起こることにより腰が持ち上がります。

その結果、先ほどのテコの原理と反対の現象が起こります。

お尻が上がると同時に上体が下がるため、それに抵抗するために腰部や背部に大きな力がかかります。

これによりぎっくり腰や背中を痛めることになるのです。

仮に、腰や背部が耐えられたとしても、下がった上体をもう一度起こし立位に持っていかなくてはなりません。

しかも力の同調は使えず自身の背筋力だけでです。

これは効率的に力を加えることができていないので、本来トレーニングで得るべき同調性やパワー発揮とは異なってしまいます。

繰り返しますが、ファーストプルの動作はデッドリフトです。デッドリフトでも全く同じことが言えます。

セカンドプルで爆発的に力発揮するには安全で丁寧なフォームで理想的なファーストプルを行いましょう。

どのような競技もスタートポジションが崩れていたら、次の動作は必ずフォローに回らざるを得ません。

もしくはフォローしきれず怪我をしてしまいます。

これらの物理的な作用の理解と、実際に動かす運動神経を手にいれるためには多くの時間を要するかもしれません。

しかしアスリートにとって「パワー」は必須の能力なので、一緒に頑張りましょう!

いかがだったでしょうか。パワー発揮や効率的な身体操作を手に入れたいアスリートにとってパワークリーンは取り組む価値のあるトレーニングです。

しかし、独学で行なって怪我をしたくない、フォームの確認もしてもらえる人がいないなどでお困りの方はぜひご連絡ください。

AGELCAで初めてパワークリーンに取り組んでいるアスリートも数多くいらっしゃいます。

最初は何が何だか分からない種目ですが、取り組みながらコツを掴み始めると面白くなってくるのもパワークリーンの魅力です。

自身の競技パフォーマンスの向上の一助になること間違いなしです。

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