社会人アスリートは練習量より、“怪我を減らす仕組み”を作ることが大事

「怪我が多くて、思うように練習できない」
そんな悩みを抱えるアスリートは少なくありません。
実際、多くの選手は何かしらの怪我を抱えながら競技を続けています。
僕自身も足首の手術歴があり、長い間ケガと付き合いながらプレーしてきました。
しかし、身体について学び、怪我に対する考え方を変えてからは状況が大きく改善しました。
その過程で気づいたのは、「怪我は避けられないかもれない、でも減らすことができるものだ」ということです。
一方で、現場ではこんな声をよく耳にします。
「リハビリばかりでモチベーションが保てない」
「治ったと思ったのに再発してしまう」
「膝が痛くて満足に走れない」
試合に向けて練習を積み重ねることが何より大切なアスリートにとって、練習できないことは致命的です。
だからこそ、怪我をしない仕組みを作ることが必要になります。
その具体的な方法のひとつが、ウェイトトレーニングです。
研究でも、怪我の発生率を下げる効果が報告されており、僕自身も実際に大きな変化を感じています。
ストレッチよりも効果的? 怪我を3割〜5割減らすウェイトトレーニング

まず、ウェイトトレーニングが怪我の発生率を下げる、という話はなんとなく聞いたことがある方も多いと思います。
スポーツ医学の研究では以下の通り報告があります。
- スポーツでの怪我 → 33%減少
- オーバーユース(使いすぎ)による怪我 → 50%減少
あなたが毎日入念にウォーミングアップしたりストレッチするよりも、2~3倍も怪我を防げる効果があるということです。
若い頃は回復も早く、エネルギーもあるのでつい無理をしてしまいがち。
僕もそうでした。練習量が多ければ、その分怪我のリスクも増えます。
しかし、あなたが社会人アスリートとして限られた時間で練習するなら、怪我でその貴重な時間を失うわけにはいきません。
だからこそ、入念なウォーミングアップだけに頼るのではなく、ウェイトトレーニングを継続的に取り入れることが、あなたのパフォーマンスと怪我予防に直結します。
少しの時間を投資するだけで、練習のチャンスを守れる。
このようにウェイトトレーニングをすることによる恩恵は思っている以上に大きいと考えます。
次は、これらの知見と私自身の経験を踏まえて、「アスリートの怪我問題」についてお話ししていきます。
ウェイトトレーニングで「練習を守る力」をアップデートする

結論から言うと、怪我は完全になくせません。
しかし、ウェイトトレーニングを取り入れることで、怪我のリスクを30〜50%も減らせるなら、絶対にやる価値があります。
競技者にとって、パフォーマンスを上げることは重要ですが、それと同じくらい大事なのがパフォーマンスを守ることです。
SNSやネットでは多くのウェイトトレーニングのメリットが目立ちますが、本当に大事なのはその先です。
筋肉がつきますよ。筋力が上がりますよ。
だから何に繋がるの?
この繋がり先が大事なのです。
今回のメッセージのメリットは「怪我が減りますよ」です。
怪我が減る先には「練習をちゃんと積めるようになる」こと。
これこそ、ウェイトトレーニングを丁寧に取り入れる最大の理由です。
僕自身も怪我で現場を離脱し、毎日リハビリに追われていた経験があります。
当時もウェイトトレーニングはやっていましたが、知識やスキルが十分ではなかったため、効果的に怪我を防ぐことはできませんでした。
僕自身も昔は、
「オールアウトだ!」「筋肉痛でバキバキだ!」「プロテイン塗っとけ!(意味ない)」
と短絡的にウェイトトレーニングをしていました。
でも今は違います。現代のウェイトトレーニングでは、ケガを防ぐ仕組みを作ることが最重要です。
具体的には。
1. 関節の強度向上
- 膝や肩、足首など、競技で負荷のかかる関節を重点的に鍛える
- スクワットやデッドリフト、肩回旋運動などで、関節周りの筋肉・腱・靭帯を強化
2. 左右差の理解
- 左右で筋力や柔軟性の差を測定
- 弱い方を重点的に鍛えてバランスを整える
- 偏った使い方による怪我リスクを減らす
3. 物理の法則を活用
- 重力や慣性、モーメントアームを理解して、フォームや負荷のかけ方を最適化
- 無理な角度や反動で関節に負荷をかけない
4. 競技特異性の理解
- 競技でよく使う動作や関節の動きに合わせたトレーニング
- 例:ランナーなら股関節や走行メカニズム、ジャンプ動作なら下肢伸展力
5. 運動刺激と疲労の関係
- 強すぎる負荷や回数は疲労を溜めて逆に怪我を誘発
- 休息や回復を計画的に組み込み、成長と怪我予防を両立
こうして筋肉を鍛えるだけでなく、関節や左右差、フォーム、疲労管理まで考えたトレーニングをすることで、怪我をしにくい身体を作ることができます。
パフォーマンスや身体を守る力をアップデートしなければ、せっかくの努力も怪我で0になってしまう可能性があります。
「頑張って練習したのに、怪我をしてしまっては意味がない。」
こういう状況になってしまうわけです。これまでの苦労は水の泡。
あんな練習なんてしなければ良かった。と言うことになりかねません。
だから、もしあなたが長く競技を続けたい、パフォーマンスを維持したいと思うなら、今日からでもウェイトトレーニングをただ筋肉をつけるためではなく、身体を守るために取り入れてほしいと思います。
小さな積み重ねが、練習の継続力を守り、怪我による挫折からあなたを守ってくれます。
練習を守る力をアップデートする。それが、あなたの未来のパフォーマンスを支えます。

まとめ:怪我が減った先の未来を考えよう
怪我を減らすことは、ただ「痛みをなくす」ことではありません。
その先には、練習を継続できる身体、大会に向けて万全の準備ができる身体、そして自分の力を存分に発揮できる身体があります。
僕自身、怪我で苦しんでいた時期は「やりたい練習ができない」「試合に出られない」という焦りでいっぱいでした。
でも、トレーニングの考え方を変え、怪我を防ぐ仕組みを作ることで、ようやく積み重ねが報われる環境に至りました。
あなたも同じです。
もし怪我が減れば、これまでよりも確実に練習を積むことができます。
そしてその積み重ねが、数か月後・数年後のパフォーマンスを大きく変えます。
だからこそ、「今の痛みをなくす」だけで終わらず、怪我が減った先に広がる未来をイメージしてみてください。
その未来を実現するために、AGELCAではあなたにあったプログラムを長期で考え、競技の支えになる指導を心がけています。
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