【トレーニング理論】仕事も忙しいけど筋肉も欲しい | 週2回でちゃんと結果を出す思考法

「トレーニングって、やればやるだけ良いんじゃないの?」

日々の雑談や友人との食事で、そんな風に聞かれたことがあります。
でも、答えはNOです。

もしあなたが「時間がないけど、もっと筋肉をつけたい」と思っているなら、これは朗報かもしれません。
実はトレーニングは週2回でも成長すると科学的に示されています。

中には「週3回? いや、週4回? …それどころか毎日ですよ!」という方もいますが、少し立ち止まって耳を傾けていただければと思います。

今回は、週2回のトレーニングでもしっかり効果が出ている研究をご紹介します。
もちろん、科学的根拠をもとにするのは素晴らしいことですが、論文を参考にするときは必ず「本当に自分に当てはまるのか?」という視点も忘れないようにしましょう。

2021年、ノルウェーの研究で「週2回 vs 週4回のウェイトトレーニング頻度:筋肥大に関する研究」が発表されました。
ノルウェー・Lillehammer大学ほか

結論から言うと、筋肥大に優位差はなし
週2回でも、週4回でも、筋肉の成長はほぼ同じだったのです。

さらに、複数の研究をまとめたレビューでも、
「週合計の総ボリューム(セット数×レップ数)が同じなら、頻度は筋肥大に大きな影響を与えない」という結果が多く見られます。

つまり、週2回しか時間が取れなくても、トレーニングの質と総量さえ確保すれば結果は出せるということ。
社会人アスリートや忙しい方にとっては大きな希望ですよね。

ここで一つ考えてほしいことがあります。
SNSやネットには情報があふれていますが、「それが自分に当てはまるかどうか」を見極めることが重要です。
論文も例外ではありません。
科学的で信頼性が高そうに見えても、前提条件が自分と違えば結果も変わります。

ではどのように、この論文を判断していかなくてはならないのか詳細を書いていこうと思います。

被験者と実施種目の確認

今回の研究の被験者は、男性パワーリフティング競技者です。
平均年齢27歳、競技歴6年以上の中級〜上級レベルの熟練者です。

内容はスクワット、ベンチプレス、デッドリフト、その他のバリエーションといったベーシックな種目で構成されていました。

今回のポイントは年齢もそうなのですが、競技歴の長さです。
パワーリフターの中級〜上級ともなるとトレーニングスキルレベルも高いことが推測されます。
「競技経験が長い層」による結果であり、初心者や一般的なフィットネス愛好者とは条件が異なる可能性があります。

この前提が、違えば結果も違ったものになるのではないでしょうか?

例えば、初心者であれば、技術習得や動作の効率の向上も成長要因になるため、週4回の群の方が筋量や筋力が伸びやすい傾向があります。

つまりこの対象群と自分を比較したときに、自分ごとに落とし込んで良いものなのかを判断しなくてはなりません。

他の条件の確認

トレーニングの効果を出すときに大事なことは、頻度だけではありません。
食事や休息、他の時間で何をしているのかでトレーニングの効果は大きく変化します。

今回の研究で、食事に関する個別変動に対して厳密な管理は行なっていません。

食事は自己管理で行われ、実験前に「十分なエネルギーとタンパク質を摂取するように」という一般的な指導のみで、厳密な記録や統一は行われていません。

中上級者のパワーリフターであれば、日常的に適切な食事をしている可能性は高いですが、これはあくまで推測です。

食習慣の違いがわずかに結果へ影響した可能性は否定できません。

違う見解の研究は存在するのか

研究は日々様々な方法でおこなわれています。

となると必ず違う結果のものも存在するでしょう。
1つの研究を鵜呑みにしてしまうと、努力の成果が出ない可能性もあります。

今回の研究の反対意見も何個かあるのでまとめます。

  • NSCA研究(2015年)
    トレーニング頻度が高いほうが、前腕筋や大腿四頭筋の筋肥大により効果的であると報告されています。(被験者は熟練男性)
  • Damasら(2019年)
    同一被験者の左右脚で高頻度(週5)と低頻度(週2–3)を比較。筋肥大・筋力の増加には個人差が大きく、どちらが有利とは一概に言えない結果になりました。
  • Gomesら(2019年)
    よく鍛えられた男性を対象に、週1回(分割式)と週5回(全身式)トレーニングで比較。総セット数・強度は同じで、筋肥大も筋力も差はなかったと報告しています。

結果が異なる理由として、被験者の経験年数、対象筋群、種目構成、休養や栄養条件などの違いが考えられます。

ここまで見てきたように、「週2回でもOK」は特定条件下での結論です。
自分がその条件に近いかどうかを判断しなければ、最適な頻度は見えてきません。

次は、これらの知見と私自身の経験を踏まえて、「じゃあどんな人が週2回で十分なのか?」についてお話ししていきます。

結論からいうと、僕の考えでは、競技パフォーマンスを目的とする場合、週に2回、同じ部位をしっかり時間確保できていれば、満点を100点としたときに80点は取れていると見なして良いと思います。

なぜなら、身体が際限なく大きい方が良いわけでもないし、扱える重量があるに越したことはありませんがそれだけでパフォーマンスが向上するわけではないからです。

競技力は技術、戦術、持久力、メンタルなど複合的な要素で決まるため、ウェイトトレーニングで残りの20点を追い込むより、その時間を他の課題に充てた方が効率的な場合が多いのです。

それでも時期や抱えている課題によっては身体作りを優先しなくてはならない場合もあるかと思います。
その時は週に3回、4回と増やせば良いと思います。

1つだけ注意点があるとするならば、週に2回は必ず確保した方が良いです。
これは試合の前後であってもです。

理由は2つあります。

身体の適応を維持できる
週2回しっかりプログラムを組んでいれば、常にウェイトトレーニングに適応した状態を保てます。
試合前だからと完全にやめてしまうと、この適応が鈍化し、再開時に強い筋肉痛が出やすくなります。

1回と2回では効果に明確な差がある
複数の研究で、週1回の群よりも週2回以上の群の方が筋肥大や筋力向上に優れていると報告されています。
2回以上では差が小さくなりますが、1回と2回の差ははっきりしているため、1回から2回に増やすメリットは大きなものになります。

以上の理由から、僕は週に2回、ウェイトトレーニングの時間が取れているのであれば十分だと考えます。

「週2回でもいい」と知った今、その2回をどう使うかがすべてです。
同じ週2回でも、内容や質によって結果は大きく変わります。

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