【コラム】「やらなきゃ…」がツラい。練習が義務になってしまった話

「今日も走らなきゃ」
気づいたら、練習が楽しみじゃなくて“義務”になっていました。

学生の頃とは生活がガラッと変わり、仕事の合間をぬって練習時間を確保する日々。
「やらないと不安」「休むと罪悪感…」そんな気持ちで、20代は競技を続けていました。

本来、走ることや鍛えることは生活を豊かにするもの。
それがいつの間にか、生活を縛るルールになっていたんです。

今回はちょっとしたコラムとして、僕自身の「練習が義務化していた頃」の話と、
そこから考え方を変えて、どう向き合うようになったのかを書いてみます。

競技をやっていると、「今日は練習しなきゃな」って日が必ずあります。
理由はシンプルで、少しでも速くなりたいし、良い記録を出したいから。

多くの社会人アスリートが、仕事の前や終わったあとに時間を作って練習しています。
僕も同じで、朝暗いうちに走ったり、夜にジムへ寄ったり。

中には、日本選手権の表彰台や、世界選手権の標準記録といった大きな目標を持っている人もいます。
でも、もっと小さな「昨日よりちょっと良くなりたい」という気持ちだって、立派な理由なんです。

目標があると、どうしても達成したくなるのがアスリート。
そして「きっと越えられる」と信じているから、限られた時間を使って練習しているんです。

でも、いつの間にか“練習すること”自体が目的になってしまうこともあります。
頑張るのはもちろん大前提。
だけど、内容をあれこれ詰め込みすぎになると、本当に目指していたゴールからは逆に遠ざかってしまうんです。

練習を重ねるほど、「あれも足りない」「これも足りない」って思うこと、ありますよね。
でも、それって当たり前なんです。
そもそも社会人は、練習に使える時間が限られていますから。

だからこそ大事なのは、「今日の練習は何のためにやっているのか?」を一度立ち止まって考えること。

ただ距離や時間をこなすだけじゃなくて、
今日はスピードを上げたいのか、持久力を伸ばしたいのか、それとも回復を優先するのか。
目的をはっきりさせるだけで、同じ1時間でも練習の質はぐっと上がります。

僕も20代の頃はこの罠にハマっており、本質的にトレーニングを積み重ねることができていませんでした。
今回は、そこからどう考え直したのかをお話ししようと思います。

僕が陥っていた良くない考え方は、大きく3つあります。

その日、その日で生きていた

まずひとつめは、その日その日だけで練習していて、計画性がなかったこと。
今は試合から逆算して、小さな目標をひとつずつクリアしていくようにしています。

たとえば…
50mを5秒台で走る
スクワット100kg
ベンチ85kg
パワークリーン 75kg
150mを18秒切り

こんな感じで“最低限目安”を決めて、「いつまでに達成するか」まで決めています。

もちろん全部がスムーズにクリアできるわけじゃないです。
でも、この物差しがあれば、今の自分に足りないものがすぐに分かります。

しかも期限を決めているから、その日に達成できなくても焦らない。
最後にちゃんとクリアできればOK。そんな気持ちで続けています。

取捨選択と決断力のなさ

ふたつめは、取捨選択ができていなかったこと。

足りないことだらけだと、あれもこれもやりたくなりますよね。
でもそれだと意識がバラけて、結局「今何やってるんだっけ?」状態になります。

走り方ひとつ取っても、
接地はどうする?
足の回収は?
腕振りは?
腰の位置は?
…なんて考えていたら、もう頭がパンクします。

そしてそれは「決断」をしていないということです。

なら、いっそ1つに絞った方がずっと走りやすい。
僕もそうしてから、課題をスムーズに解決できるようになりました。

時間がない社会人ほど全部一気にやりたくなりますが、実は1つに集中した方が、結果的に早く進めるんですよね。

完璧を追い求めてしまう

最後は、完璧を求めすぎてしまうことです。

そもそも競技に「完璧」ってあるんでしょうか。
取り組んでいることで高い評価を得たいのは当然です。
競技でも満点を目指すのは本気だからこそ。
でも、求めすぎると苦しくなります。

僕が大事にしているのは、80点を出し続けること。
全部で100点を狙うより、一つ一つの目標を80点にした方がトータルでは良くなるんです。

しかも、80点を安定して出せるようになると、その“80点”の基準そのものが上がってきます。
気づけば、同じ努力でも昔より高いレベルの80点が出せるようになっている。

過去の80点は現在の70点くらいの質なのですが、現在の上振れ分から比べると依然80点のままなのです。

そうなると、100点の基準も自然と引き上がります。
いわば、物差しごと変わってしまう感覚です。
努力のペースはそのままなのに、ステージ全体が一段上がる…そんなイメージです。

だから僕は“100点なんてない”と割り切るようにしました。
でも、それは手を抜くという意味じゃなく、むしろ向上心を保ちながら長く競技を続けるための考え方です

練習を義務のようにこなしていた頃は、正直、毎日が息苦しかったです。
でも、計画を立て、やることを絞り、完璧を追いすぎない――
この3つを意識するようになってから、練習は“縛り”ではなく“支え”に変わっていきました。

社会人アスリートにとって、時間も体力も限られています。
だからこそ、「何のためにやるのか」をはっきりさせ、80点を積み重ねながら基準を上げていくことが大切です。

頑張り続けるためには、楽しさと余白が必要です。
あなたの練習も、義務から解放されて、またワクワクする時間に戻せますように。

他にもあなたが陥っていた、良くない思考法があればコメント欄で教えてください。
それが他の人のヒントになるかもしれません。

もし今、練習が義務のように感じているなら、僕はその気持ちを痛いほどわかります。
同じ経験をしてきたからこそ、あなたの状況や悩みに寄り添える自信があります。

AGELCA personal gymでは、ただ鍛えるだけではなく、あなたの生活や競技に合わせて「練習との向き合い方」も一緒に整えていきます。

ぜひチェックしてみてください。

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