疲れやすい・失速するランナー必見 | 楽に速く走れる脚の作り方

「最近スピードが出せない」「すぐに失速してしまう」「ここからが踏ん張れない」
かつては走る距離を伸ばすごとにスピードも自然に上がったのに、最近は同じ練習をしても思うようにタイムが伸びず、疲れが抜けにくくなってきた──そんな変化を感じていませんか?
走力の伸び悩みを打破するヒントのひとつが、ランニングエコノミー(走る効率)です。
「筋トレはランナーには不要」と思われがちですが、最新の研究では、適切なストレングストレーニングやプライオメトリクスを取り入れることで、同じ走力でもより楽に、より速く走れることが明らかになっています。
効率が高まると、同じ心拍数・同じペースでも体への負担が減り、終盤の失速が少なくなります。
それによりマラソン後半に余力を残せたり、トレーニング翌日の疲労感も軽くなったりもします。
この記事では、研究に基づき、筋トレがランニング効率に与える影響と、あなたが実践できるポイントを解説します。
疲れにくい・粘れる・ラストで伸びる効率的な走りを手に入れる方法

「ランニングエコノミー」という言葉は少し難しく聞こえますが、簡単に言えば 同じスピードで走るときに、どれだけ少ない酸素で走れるか ということです。
酸素を効率よく使える人は、同じペースでも疲れにくく、楽に長く走れます。
逆に、酸素をうまく使えないと、すぐに息が上がったり、足が重く感じたりします。
つまり「走りの効率=酸素の使い方」と考えてOKです。
「でも酸素なんて、自分でコントロールできないでしょ?」と思うかもしれません。
実はコントロールできる部分があって、それが 筋肉や腱の使い方です。
- 筋肉がちょうどいいタイミングで力を出す
- 腱(バネのような組織)の反発をうまく利用する
- 体幹や股関節を安定させて、余計なブレを減らす
こうしたポイントを鍛えることで、同じ力でも「より楽に、より速く」走れることが研究で分かっています。
つまりウェイトトレーニングは、ただの筋トレではなく、走りを効率的にする武器になるのです。
では、ランナーは具体的にどのように鍛えればいいのか?
答えはシンプルで、「筋力」と「プライオメトリクス(跳ねる動きなどの瞬発系トレーニング)」。
この2つが、走る効率=ランニングエコノミーを大きく伸ばすカギになります。
筋力向上
ウェイトトレーニングにおいて、筋力トレーニングは1RM(1回挙げられる重さ)の80%と言われます。
80%の重さを低回数行うメニューが筋力向上プログラムです。
ランナーは筋持久力を求めてしまいがちですが、実際には違います。
高負荷の筋トレをすると、神経と筋肉のつながりが良くなる
- 脳から筋肉への「スイッチ」が入りやすくなる
- 必要なときに必要な筋肉をすばやく動員できる
その結果、脚のバネが強くなる(下肢の剛性向上)
- 地面を蹴ったときの力が逃げにくい
- 腱の反発を効率よく使える
筋肉の動きそのものも改善する
- 無駄な力を使わないので、酸素の消費が減る
- より速く・効率的に力を出せるようになる(力発揮速度の向上)
筋力トレーニングをすると、力そのものも向上しますが、これよりも「必要な瞬間にパッと力が入るようになる」
そうなることで、一歩ごとの無駄が減り、脚のバネを効率よく使えるようになり、同じスピードでも疲れにくくなります。
プライオメトリクス
ランニングにせよ、スプリントにせよ、接地した瞬間から立地するまでの時間は約0.2秒〜0.3秒と言われています。
その瞬間に筋肉や腱を反射させなくてはなりません。
しかも正しい方向にです。
これはあなたが思っている以上に高度な技術で、その良し悪しでランニングエコノミーにも大きな影響を与えます。
反射の技術を覚えるには反射の練習をしなくてはなりません。
イメージしやすいのはボールのバウンドです。
硬い床にボールを落とすと「ポーン」と大きく弾みますが、柔らかいマットに落とすと力が吸収されてしまい、ほとんど跳ねません。
人間の脚も同じで、「硬くて素早い反射」をつくれると、地面の反発を効率よくスピードに変えられるのです。
反射の練習=プライオメトリクスと聞くと、「ジャンプ台を使った難しいトレーニング?」と想像するかもしれません。
でも、初心者が取り入れるなら 縄跳び(アンクルホップ)で十分 です。
縄跳びは、短い時間で「接地してすぐに跳ね返す」動きを繰り返します。
これはまさに、ランニングで必要な 腱と筋肉の素早い反射=バネの使い方 を練習しているのと同じです。
- かかとをつけず、つま先で軽く弾む
- 接地時間を短くする意識を持つ
- 高く跳ぼうとせず、リズムを一定に保つ
これだけで、走るときに「地面からの反発を効率よく使える脚」へとつながっていきます。
上記の2つがランニングエコノミーの向上に繋がり、いざという時にスピードを上げることができたり、後半の粘り強さを作っていきます。
次は、これらの知見と私自身の経験を踏まえて、「ランナーのトレーニング法」についてお話ししていきます。
怪我を防ぎながら強い脚をつくる、ランナーのための最初の一歩

実際にAGELCAに通ってくださるお客様の中にもランナーの方は多くいらっしゃいます。
筋力向上と、プライオメトリクスは実際に取り組んでもらいフルマラソン、ハーフマラソンの自己ベストを更新もされています。
しかしそういった方も最初はトレーニング初心者で実際に取り組んでいない方が多かったです。
その上で、僕が指導中に心がけていたことはトレーニングで怪我をさせないこと。
筋力の向上やプライオメトリクスは中上級者向けのエクササイズになります。
なので、ランナーにとってその要素は確かに有効なのですが、おいそれと簡単に獲得できるものでもありません。
筋力向上の前に
怪我をしないで筋力向上のスキルを手に入れるための最初のステップはトレーニングフォームの獲得です。
ですので、5回で最大努力などのメニューは組んでいません。
10回を3セット。ランナーでもここから始めています。
これをクリアし、重さを担いでも大丈夫なスキルと心構えができて初めて筋力向上に向けて舵を切っていきます。
一見遠回りに感じるかと思いますが、実際にはこれが一番の近道です。
また10回3セットもただ行うだけでなく、セッションごとに重さを2.5kgづつ上げていきました。
それにより、ウェイトトレーニングに身体を適応させることと、疲労時の動作向上
ベーシックなエクササイズこそ疲労時の身体のコントロールに現れるクセや、重量下における身体のコントロールのクセを炙り出してくれます。
このクセが出てきた時にどのように対応しなくてはならないのかを明確にしていきます。
このように疲労時、重力下の身体の使い方を理解してから筋力向上に入っていくことによって、怪我を防ぐことができます。
そしてランナーでも、フルスクワットで自分の体重を扱うことを最初の目標として行なっています。
ランナーは約40kmにわたって自分の体重を運ばなくてはならないのです。
しっかりと強い脚を作らなくてはなりません。
壊れない脚を作らなくてはなりません。
筋力向上は、必ず手助けになり、キツくなった時に力を発揮してくれます。
またキツくなるのを遅らせ、楽に走れる距離を伸ばすことも可能です。
ここぞの馬鹿力はウェイトトレーニングで作れます。
プライオメトリクスの導入
筋力だけ向上させるだけでもランニングエコノミーは向上します。
しかし、走る行為は跳ねる行為でもあります。
ということは効率的な跳ね方を知っておけば鬼に金棒です。
それを学ぶことができるのがプライオメトリクスです。
ただ、ここでの結論は1つだけ。
先にも書きましたが初心者はアンクルホップだけで良いです。
理由は、アンクルホップにランニングの要素が詰まっているからです。
ハードルジャンプや、BOXジャンプ、色々ありますが、アンクルホップ一択。
アンクルホップは縄跳びを飛んでいる時の跳び方と同じです。
- 姿勢を良くする
- つま先接地で跳ぶ
- かかとはつけない
- 膝を柔らかく使う
ですので、ウォーミングアップに縄跳びを導入すること。
30秒跳ぶ。とか、100回跳ぶ。など色んなメニューで縄跳びをやってみることが一番おすすめです。
慣れてきたら、片脚交互跳びなどで、よりランニングに近い様式で跳んでみるのもおすすめです。
プライオメトリクスを導入すれば、効率よく自分の身体を進める方法を理解できるのでランニングエコノミーは向上します。
筋肉だけに頼らず、腱の使い方も理解してこそ自己ベスト更新に近づきます。

まとめ : ここぞの底力を手に入れよう
いかがでしたでしょうか。
ランナーにとって、ウェイトトレーニングはランニングエコノミーの向上に繋がります。
楽に走れる距離が伸びたり、苦しくなった時にまだまだ踏ん張れたり、スピードを上げた時の疾走感が強くなったり。
ランナーにとってランニングエコノミーの向上は記録向上と言っても過言ではありません。
ウェイトトレーニングとプライオメトリクスの導入で、あなたの走りを力強くしましょう。
ただし、怪我には十分注意し、フォームを確立してから筋力向上を目指すように心がけてください。
AGELCAでは初心者から始めた多くのランナーが自己記録を更新しています。
あなたの身体に合ったフォームや力の加え方をお伝えするように心がけています。
表参道にございますAGELCApersonalgymぜひチェックしてみてください。

