嫌でもやる価値あり | ブルガリアンスクワットで膝・お尻・体幹を同時強化

トレーニングの現場では、「ブルガリアンスクワットは効くのは分かるけど、正直やりたくないんですけど…」という心の声をよく耳にします。

僕も大嫌いです。

ブルガリアンスクワットは強烈にお尻や太ももに効く分、実施時のしんどさも相当です。
さらに、バランスを取るのが難しく、フォームの崩れや集中力の消耗もストレスになり著しくIQが下がります。

しかし科学的な視点から見れば、この「やりたくない種目」を避けるのは、競技力向上の大きなチャンスを逃している可能性があります。

本記事では、ブルガリアンスクワットがなぜ重要なのか、そして「やるか〜」と腹をくくれるだけの根拠を整理していきたいと思います。
読み終わった後に、あなたはブルガリアンスクワットをやりたくなるはずです。

ブルガリアンスクワットを指導メニューに組み込むとお客さんは2パターンの反応になります。
「人間味が溢れて明らかに嫌な素振りを見せる」もしくは「感情を殺して人間をやめる」のどちらかです。

どちらにせよやっていただきますが、やるからには僕なりの理由がありますのでさっそく書いていきましょう。

1. 片脚動作はスポーツの基本

まず大前提として、ほとんどのスポーツ動作は「片脚」で行われています。
ランニング、ジャンプ、切り返し、スプリント…。両脚をそろえて力を発揮する場面は極めて少なく、むしろ片脚で地面を捉える瞬間にいかに効率よく力を伝えられるかがパフォーマンスを分けます。

シングルレッグ系トレーニングは競技特異性が高く、実戦的な力発揮に直結することが多くの論文で示されています。

つまり、片脚で負荷を受け止めるブルガリアンスクワットは、競技動作に限りなく近い強化法です。
片脚での運動機能や能力が上がれば、競技で活きてくること間違いなしです。

2.筋力だけでなく「安定性」を鍛えられる

通常のスクワットは両脚で支えるため、体幹や股関節周囲の細かな安定筋群はそこまで強調されないと言われています。

一方ブルガリアンスクワットでは、支持脚一本で全体を安定させる必要があり、お尻や内もも、さらには深層の体幹筋まで総動員されます。
これが「片脚で踏ん張る競技動作」に近く、強化になるのです。

特にスポーツ障害の多くは、骨盤や股関節の不安定性に起因するといわれています。アキレス腱損傷やランナーの膝痛などはその代表例で多くの方が悩んでいます。
ブルガリアンスクワットはこうした安定性を養うトレーニングの一つとして有効視されています。

実際、いくつかの研究ではブルガリアンスクワット中に中殿筋の活動が顕著に高まることが報告されており、これは「膝が内側に入りにくい(ニーインを抑制する)働き」を改善する可能性が示されています。

ただし、現時点では直接的に「ニーインを完全に防止できる」と証明されたわけではなく、補助的な手段の一つと捉えるのが妥当です。
実際の指導内でも、お尻の筋肉の収縮が弱いと膝が内に入り、正しいポジションに導くと収縮感が強くなりキツさが増幅する様子が伺えます…笑

つまり、ブルガリアンスクワットは筋肥大や筋力アップに加えて、「ケガ予防やフォーム改善につながる可能性を持つ種目」といえます。

3. 筋肉への刺激効率が高い

「ブルガリアンは効く」という実感は、研究でも裏付けられています。(2020 National Strength and Conditioning Association.)
実際に僕も感じますし、お客さまの反応も同様です。
ここでいう効くとは強度のことを指しています。

EMG(筋電図)解析によると、ブルガリアンスクワットでは大腿四頭筋・ハムストリング・大殿筋すべてにおいて高い筋活動が確認されています。特に臀部の関与はバーベルスクワット以上に強いという報告も示唆されています。

つまり、嫌だと背けたくなっても、目的が明確化していれば大きな運動刺激をお尻に与えられます。
時間対効果を考えれば「効率の良さ」は明らかで、限られたトレーニング時間を最大限活かしたいアスリートにとっては強い武器になります。

ここまでで重要性は理解できた。むしろ正論は暴力にもなり得るんだぞ。と苦い顔しているあなた。

「頭では分かるけど気持ちが乗らない」というのもまた事実。
そこで心理的ハードルを下げる実践的アプローチを紹介します。

  1. 回数ではなく、やったことを評価する
    苦手意識がある人ほど「とりあえず10回3セット」を考えがちです。
    代わりに「まずは10回1セット」と設定するだけで負担感は減ります。
    その後に気が向いたら2セット目をやれば良いし、やらなくても良い。
    大事なのはスタートを切ることです。
  2. 負荷を軽く始める
    ダンベルやバーベルを持たず、自体重から始めても十分効果があります。
    特に動作の安定性が目的なら軽負荷でOK。
    その後に気が向いたら、重りを持てば良いし、持たなくても良い。
    とにかく、最初の1回目を始めることが大事です。
  3. 種目の順番を工夫する
    一番疲れているときにやれば「嫌だ」の感情は強まります。ウォームアップ後やトレーニング前半に入れると心理的抵抗が減ります。
    とにかく、やることが大事です。
    というより、やりましょう!

僕の経験談から言えば、「嫌いなトレーニング」を避けると、自分の弱点と向き合う機会も同時に失うことになります。
逆に、嫌なことを積み重ねた経験は大きな自信に変わり、試合場面でのメンタル強化にもつながるのです。
なぜなら、明確な目的を持ち自分でそれを選択し時間をかけて実行してきたからです。

最終的には、何をどうやるか。よりも何のためにこれを選んだのか。が身体も心も強くしてくれます。

いかがでしたでしょうか。ブルガリアンスクワットは、多くのアスリートに有効なトレーニングです。

  • 片脚動作に直結する実戦的トレーニング
  • 安定性向上によるケガ予防効果
  • 高い筋活動による効率的な刺激

確かにキツい種目ですが、その負荷は裏返せば効率の良さであり、競技パフォーマンスを高める最短ルートです。

「やりたくない」と感じたときこそ、『これが伸びしろだ』と言い聞かせ、考える余地を与えず、すぐにスタートをきることが重要になってきます。

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